蓄膿症(副鼻腔炎)と抗生物質

  治らないワケ

アメリカのある大学では、急性副鼻腔炎に対する抗生物質の効果を計る実験がありました。 その結果は実に驚くべきというか、病院の治療を信じてきた方にとってはがっかりさせられるものでした。
もし、事実をお知りになりたくない場合は、これ以上先は読まないほうがよいかもしれません。


副鼻腔炎の患者に抗生物質を投与しても、ほとんど効果がないとする研究結果が、米国医師会雑誌 (Journal of the American Medical Association)に発表された。

米ワシントン大(Washington University)の研究チームは、急性単純性副鼻腔炎の成人患者166人を対象に 、一般的に使用されている抗生物質、アモキシシリンを与えるグループとプラシーボ(偽薬)を与えるグループに分け、効果を比較した。
なお、患者は鼻水などの症状が7〜28日間続いており、症状の重さは中度、重度、極めて重度の3タイプに分かれた。

 実験の結果、アモキシシリングループで回復が早まったり症状が 軽減されたりといったことは確認できず、 プラシーボグループとの間で症状に顕著な違いは見られなかった。

「これらの結果は、基本的な副鼻腔炎では抗生物質が必ずしも必要では ないことを示している。大半の患者は自力で回復する」と、研究者は述べた。
AFBBB Newsより引用  

顔 蓄膿症治療の柱である抗生物質ですが効果が見えず、プラシーボ(偽薬)と変わらないそうです。

急性副鼻腔炎にかかっても、ほとんどの方は1ヵ月以内に治りますが、
その理由について私は患者さんの免疫力(自然治癒力の一つ)が回復さ
れたためと信じてきました。

実験結果では「免疫力」という言葉こそ使われていませんが、「大半の
患者は自力で回復する」と言っています。

治らずに慢性化した人は免疫力が弱っていたわけですから、免疫力を回復させることこそ治療の中心に 据えるべきだと考えます。 


【病気の原因は細菌か?   それとも身体自身か?】

病気の原因は細菌なのか、それとも身体が弱ることが原因なのか?、という病因論については昔から論争が あったようです。

ドイツの細菌学者でノーベル生理学・医学賞を受賞した「ロベルト・コッホ」(1843〜1910)は「コレラはコ レラ菌によって起こるもの」と考えました。

一方、「マックス・フォン・ペッテンコーファー」(1818〜1901)は「体力があれば大量の病原体と接触しても 発病はしない」と主張しました。

そして、ペッテンコーファーはこともあろうか、それを証明するために学会(1892年)において 学者や学生たちを前にして、コッホがつくったコレラ菌の培養液を飲み自らの体で試したのです(当時 のペッテンコーファーは74歳頃)。

結果は下痢を起こしただけで済んだそうです。

この結果にも関わらず、その後の医学界では「病気の原因は細菌」という考えが主流となってしまいました。

余談ですが、コッホは北里柴三郎のドイツ留学時代の先生です。炭疽菌、結核菌、コレラ菌の発見者であり、 ペトリ皿(シャーレ)による細菌培養法を確立しました。

また、ペッテンコーファーは森鴎外の先生でした。


【 お薬優先 】 

現在の医療がいかに薬を中心に考えられているかを、不眠症を例にとってお話したいと思います。

ある時から急に眠れなくなった男性がいます。 病院に行き、医師の問診で最近の状況を尋ねられると 彼は「4月に昇進して勤務地が変わり、仕事にやりがいを感じているが、プレッシャーも強く感じている」 と話しました。
 
医師は「よくあることですね。 あたらしい環境に慣れるまでに多少時間がかかるでしょうから、睡眠薬 を出しておきましょう」。  しかし、その睡眠薬が効かないため、再び病院を訪れると、医師は前回の 薬と違い種類のものを処方してくれました。 しかし、その薬も効きません。 

実は彼の不眠症の原因は、彼が昇進祝いにもらったコーヒーメーカーを使って、帰宅後にコーヒーを飲む 習慣ができたことによるものでした。 つまりコーヒーのカフェインに影響されていたのです。

ですから、いくら薬を変えても変わらないのです。

この話には2つの教訓があります。
1、医師は問診で患者の食生活を尋ねないため、原因がわかりません。 
   もともと、西洋医学では「この症状にはこの薬」で対応するだけですから、医師は患者の日常
   に潜んでいる原因追究には時間はかけません。

2、患者はコーヒーのカフェインと不眠との因果関係を知りません。
  蓄膿症の場合、医師ですら食事が蓄膿症の原因であることを知りません。

薬を用いず、自然治癒力を高める食事法と浄化法による蓄膿症改善法の「マニュアル」のご紹介